STORY

 とある地方都市の町はずれにある、古い倉庫を改造して作られた海藤ボクシングジム。

時代の波に乗れず、ジムはいまや練習生が四人だけ。しかも、真剣にプロを目指しているのは田山泰一人だけ。

それでも会長の武士は自分のジムからチャンピオンを輩出する事を夢見て、夜な夜な工事現場で働きながらジムを維持して来た。

そんなある日、OBの慎之介が、ボクシングを習いたいという知り合いを連れて来る。

やって来たのはなんと佐伯小夜という若い女の子。小夜は舞台女優をしており、次回作の役作りのためにボクシングを習いたいという。

色めき立つ海藤ボクシングジム。練習生たちと共にボクシングの世界を体験していく小夜。

 だが、ある時、チンピラまがいの金融屋、風間亮がジムにやって来る。実は海藤ボクシングジムは家賃を何カ月も滞納しており、武士は借金まみれだという事が発覚する。もし、借金を返せないとジムは強制的に取り壊し。亮は元々海藤ボクシングジムの練習生だった…。

 海藤ボクシングジムを守るため、OBや練習生が地域の人々と共に立ち上がる。

 ボクシングの魅力に惹かれた小夜も、みんなと一丸となって女だてらに奮闘するのだったが…。

その事件をきっかけに日々の生活の中でいろいろな人生を歩んでいる若者たちの心の中に何かが生まれ始める。

「前へ進むためには自分自身が自分で変わろうとする勇気をもつことが必要なんだ」

ちょっぴり泣けて、バカみたいに笑える、心温まるヒューマンコメディ。